マンションやアパートは隣人や上の階から壁や床を伝って聞こえる足音や話し声が騒音になるケースがありますが、そのほとんどは生活音で故意によるものではないと思います。今回は故意による騒音に悩まされながらも、我我慢強く証拠を集めて弁護士に相談したことで解決したAさんの体験談を紹介します。
大人が床を飛び回る
夫の転勤で、私は近くに大きな公園がある自然豊かな場所にある、5階建ての鉄筋コンクリート(RC)造マンションの2階に引っ越しました。その日の夜に料理をしていると、上の階(3階)から大きな足音が響き始め、初めは「お子さんかな?」と気にしていませんでしたが、そのうち、「ドォン!ドォン!」床を飛び回る足音、「キャーキャー」と大人の奇声まで聞こえるようになりました。22時ごろにようやく音は止みましたが、こんなことが毎日早朝から遅い時間まで続くため私は困り果てていました。
一日中家にいる上の階の住民
上の階には子供とその両親が住んでいたようなのですが、ご近所さんから両親は働いておらず生活保護を受給していると聞きました。通常の生活音や子供の足音程度は気になりませんが、飛び回る音や奇声は本当に酷く、絶対に子供にではない!と推測してた通り、数日後にはその正体が子供と一緒に走り回る父親によるものとわかってきました。
嘘をつく騒音主
上の階の子供と両親が帰宅する姿が見えたので、意を決してお宅へ相談しに行きました。できるだけ下手てに出て話をしたのですが、対応した母親は「うちには父親がいません。音の原因は私たちではない」と言い張ったのです。先ほど姿も見ていますし、中から父親の声で「下の階から苦情がきた、あほやな」と話をしている声も聞こえていましたので絶対にいるはずでしたが、結局その日は帰るしかありませんでした。後日、お隣から聞いた話では、他人の目を気にしてからか、同じマンションの住民に「下の階から苦情を言われた」と母親が触れ回っていたそうです。
相談が裏目に出る
それ以降、音はますますひどくなり、今までの足音や奇声に加え、子供と父親が床を叩きながら「出て行け!」と叫ぶ、明らかな嫌がらせが始まりました。Aさんは我慢の限界に達し、管理会社に相談しましたが、その時にも上の階の母親は「父親はいない」「子供が歩いているだけ」と主張して、管理会社も私をクレーマー扱いするだけでした。この時のことは一生忘れません。上の階から聞こえる大喜びする声を聞きながら私は泣くしかありませんでしたから。

集めた音声が証拠にならない
上の階の住民とは話し合いで絶対に解決できないと覚悟を決めた私は、ボイスレコーダーを購入し、騒音の証拠を集めることにしました。毎日聞こえる足音や奇声、罵声を録音して弁護士に相談しに行きました。すぐに動いていもらえると考えていた私の期待は裏切られることになります。弁護士から「録音データだけでは決定的な証拠にはならない。騒音計を使って数値化し、録音状況を撮影する必要がある」と言われからです。
状況をまとめてメモする
それでも落ち込んでいられません、その日のうちに状況を記録するためのビデオカメラを購入して(結構なお値段でびっくりしました)弁護士からお借りした騒音計とボイスレコーダーが入るように撮影を開始しました。今度は音が聞こえる時間や長さ、自分の気持ちや体調の変化もメモで残すことにして、後日まとめて弁護士へ渡しました。弁護士が内容を精査して管理会社へ正式な通告を行ってくれました。
弁護士を通す意味
管理会社も態度が一変して謝罪に来られました。後日、上の階の住民に対し「強制退去」を通告したようです。もちろん最初は反発していたらしいですが、福祉事務局へ今回の証拠の提出することを検討している旨を伝えたところ翌月には引っ越していきました。どうやら、契約した時の人数は母子の二人、後から無断で男(戸籍上は母親と婚姻関係がなかった)を住まわしていたようなんです。その証拠もばっちり残っていたので焦ったんでしょうね。
クレーマー扱いした管理会社が悪いのか
今回のように、何の関係もない他人に対して大きな迷惑をかけても何も思わない、苦情を言われるとクレーマー扱いをする、警察や管理会社に平気で嘘をつく人間もいるのです。管理会社の方が確認に来ると音を出すことを止める、そんな話も少なくありません。そのため一時的な感情に振り回されず、冷静に証拠を集めることが重要なのです。
・録 音:奇声や罵声の内容を記録
・騒音計:音の大きさや周波数、発生時間を数値として記録
・映 像:録音機と騒音計、時計などが入る状態で撮影
・メ モ:日時や長さ、状況や内容だけではなく自分の感情も残す
録音や騒音計はどれでもいいわけではありませんので注意が必要です。餅は餅屋、騒音調査を生業にするプロに相談するのも手だと思います。