テレワークを機に木造アパートの1階へ引っ越したAさん夫婦。しかし、上階の住人からの執拗な騒音の嫌がらせに悩まされることに。自分たちの行動を把握しているかのような会話、床を叩く音や不審な笑い声、さらには夜通し続く騒音により、精神的にも肉体的にも追い詰められていきます。証拠を集め、警察や管理会社に相談するも事態は解決せず、最終的に転居を決断。本記事では、その恐怖の体験と対応策について詳しく紹介します。
人の出入りが激しい上の階
Aさんとその夫は、テレワークをきっかけに自然豊か場所を求めて、田舎町にある木造アパートの1階に引っ越しました。二人とも在宅勤務をしており、ほとんどの時間をこのアパートの中で過ごすことになります。引っ越して間もなく、Aさんは2階の住民の様子に違和感を感じるようになります。頻繁に多数の男女が出入りして、そのたびにAさん夫婦の行動を知っているような話をされるのです。「何時までパソコンに向かっていたか」「スマホで何を調べていたか」「夜ご飯に何を食べたのか」など、あたかも覗かれているかのように話題に上がっていました。
理由がわからない気味悪さ
自分たちの声や生活音が聞こえているのではないかと疑ったAさんは、家の中では小声で会話するようになります。それでも自分たちの行動は的確に把握されているようでした。気味が悪くなったAさんは盗聴器や盗撮器かもしれないと思うようになります。市販の調査機器を使って調べたようですが何も見つからなかったようです。
盗撮に気付いたことが嫌がらせの始まり
さらに時間が経つと、より直接的な嫌がらせが始まります。Aさん夫婦がいる部屋の真上からだけ床を叩く音が聞こえるようになったのです。そのたびに、男の笑い声も聞こえました。最初は偶然かと思いましたが、部屋を変えても同じようにその部屋の真上からだけ床を叩かれ、笑い声が聞こえることに気付きます。『これは偶然ではなく、意図的にやられている』と考えたAさん夫婦は、覗かれていると確信するようになります。
天井を黒い布で覆しかない
専門家なら原因がわかるのではないか、Aさんの夫が盗聴器調査業者に依頼しましたが何も発見されませんでした。引っ越しも検討しましたが、周りの環境を気に入っていたこともあり住み続けることに。気持ちの悪さから逃れるように、すべての天井へ黒の布を貼り生活するようになります。しかし、その後も、Aさんたちがいる部屋の真上からだけ床を叩く音と男の笑い声は続きました。

証拠を取るためのビデオカメラ設置
Aさんの友人が家の中の状態を見てビデオカメラを設置して証拠を取るようアドバイスしました。驚くことに、カメラを向けている間は嫌がらせの音も笑い声も止まるり、カメラを切ると再び床を叩く音と男の笑い声が始まるのです。まるでこちらの行動を監視しているかのようでした。その一部始終を見ていた友人は後に「これは普通ではないと思った」と話されています。
エスカレートする嫌がらせ
友人を呼んだことが気に入らなかったのか、寝室で寝ようとすると、ドンと石を落とすような音が聞こえるようになりました。しかもその音は夜中から朝まで続き、夫婦ともに寝不足の生活を強いられることになります。このままでは健康に影響が出ると考えたAさん夫婦が警察へ相談しましたが、積極的な対応をしてくれません。嫌がらせは日中も続き、ついには夫婦ともに精神的に耐えられなくなり、仕事を休職せざるを得ない状況に追い込まれ経済的にも大きな打撃を受けることになります。
解決されないまま転居を決断
Aさん夫婦は、何度も警察や管理会社に相談しましたが事態は一向に解決されず、最終的に転居を決断しました。「泣き寝入りするしかないのか」と悔しい思いを抱えながら、引っ越したAさん夫婦は、もう集合住宅には住めないと思い離れた場所に一軒家を購入して今では平穏に生活しているようです。
盗撮の方法が判明?するも
どうやって自分たちの行動を把握していたか気味の悪さだけが残り続けていた数年後にWi-Fiルータを買い替えるためアクセス履歴を調べたところ、アパートに住んでいた期間に自分たちではないIPアドレスを十数件見つけたのです。後にサイバー犯罪対策課へ相談したようですが、「IPアドレスだけではわからない」と言われ結局、何もできずに今に至ります。
最後に
今回ご紹介した体験談は、個人の特定を防ぐため内容を一部変更していますが実際に起きた内容です。そしてこのような気味悪い嫌がらせは決して他人事ではありません。万が一、もし同じような被害に遭っている方がいるならば、すぐに引っ越しをすることを強くおすすめします。