最初に、道路で遊ぶ行為は、道路交通法 第十四条3項(目が見えない者、幼児、高齢者等の保護)、第七十六条4項(禁止行為)により禁止されています。
▼第十四条3項(目が見えない者、幼児、高齢者等の保護)
児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。
▼第七十六条4項(禁止行為)
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
二)道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
三)交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
四)石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
この法律を知らない場合、子供が道路族をしていることに気が付いていない場合、迷惑をかけていることに気が付いていない場合などは、直接、道路族に対して苦情を入れることで解決する可能性があります。ただし、相手によることですし、やり方次第で逆効果になることもありますので、冷静かつ慎重に行動する必要があります。
また、車に傷をつけられる、自宅内の物を壊されるなど物理的な被害を受けた場合は、弁護士等への相談も検討が必要です。
1.苦情の手段
まず、直接、苦情を入れる方法として「話し合い」「電話」「メール(SNS)」「手紙」などがあります。
「話し合い」「電話」は、伝えたいことがうまく言えない、伝わらないことがある、当人同士の話し合いは逆恨みトラブルから嫌がらせに発展するリスクがあるため注意が必要です。過去には、直接の苦情から村八分にされて嫌がらせにまで発展したケースがあります。詳細は『LINE監視ストーカー道路族』にまとめています。
「メール(SNS)」も相手や近所の住民に苦情を入れた事実を知られることになりクレーマー扱いされたり、転送や投稿されるリスクが高いです。
「手紙」を使う方法も、リスクがないわけではありません。極端ではありますが、近隣の複数世帯が道路族をしている、近隣の中で自分が孤立している場合などは、特定される可能性があります。道路族が防犯カメラを設置している場合も、自分で郵便受けに入れると特定されますので、郵便で出す検討が必要です。
2.苦情の伝え方
被害を受けている側は、我慢に我慢を重ねているこも多く、感情的になる気持ちも理解できます。でも、荒々しいより温和に伝えられた方が納得してくれますよね。決して下手に出る必要はありませんが、目的は、自分の怒りを伝えることではなく道路族を解決することですので、できるだけ相手に寄り添った内容を心掛けることが大切になります。
3.苦情の内容
苦情の内容は、「被害内容」「改善要望」を簡潔に伝えることが大切です。もちろん「挨拶」は必要ですが、前述の通り手紙の場合は、自分の名前を伝えると悪化のリスクがありますので、避けた方が無難かもしれません。また、命令形(〇〇してください、やめてください)ではなく、協力をお願いする(〇〇していただけませんか)伝え方が重要になります。以下、手紙の例文です。
▼挨拶
・突然のお手紙で失礼します。
・突然のお手紙で失礼かと思いますが、〇〇についてお願いがありお手紙をいたしました。
・突然のお手紙で驚かせてしまい、ごめんなさい。
・突然お手紙を差し上げます失礼をお許しください。
▼自己紹介
・〇〇〇〇に住む△△△△と申します。 ※リスクあり
・私は近隣に住む者です。
・同じ地区に住んでいる者です。
・近くに住む者ですが…
▼被害内容
・〇月〇日にお子さんが目の前の道路で毎日ボール遊びをしており、近隣宅の壁や車に当たることで破損しています。
・お子さん道路でスケートボードをする音や騒いでいる声が自宅まで響いています。
・〇年前から道路で遊ぶお子さんを見かけますが、とても危険ですし交通の妨げになりますので、危険です。
・最近、目の前の道路や我が家の敷地内で遊ぶお子さんを見かけました。敷地内でお子さんが怪我をする可能性もあり危ないです。
▼改善の要望
・ボール遊びは道路ではなく近所の公園で遊ぶよう注意をしていただくなどの対応をお願いできませんか。
・子供が音に驚いて泣くことがあるので本当に困っています。注意をお願いできませんでしょうか。
・道路ではなく、ご自宅の敷地内や近くの公園などで遊ぶのはいかがでしょうか。
・お子さんに何かあっても我が家で責任を取りかねるためご自宅で遊んでいただくようお伝えいただけませんか。
そのほか、「〇〇についてのお願い」「道路で遊ぶ行為についてのご相談」などの件名やタイトルを入れたり、被害レベルによっては「解決が見られない場合に第三者への相談を検討する」内容を入れる必要があるかもしれません。

直接、苦情を入れることは、トラブルに繋がる可能性があります。そのため直接的な対立や事態の悪化を避けられる匿名での手紙が無難です。ただし、匿名の苦情は無視をされる可能性もあり、解決に至らないケースもあります。もし、相手と関係性が出ている場合は、話し合いが有効かもしれませんが、伝え方には細心の注意を払うようにしましょう。
ちなみに、道路族の中には、常識やモラルなど皆無の人間が実際にいます。自分一人で悩まず立ち向かわず、誰かに相談したり、協力したりすることができれば別の解決方法が見つかるかもしれません。