自治会・町内会とは、特定の地域に住む住民が自主的に運営する地域組織を言います。自治会は主に市町村単位で、町内会はより小さな地域単位で運営されることが一般的ですが、地域によって名称や組織の形態は異なりますが、主な活動には、防災・防犯対策、清掃活動、地域イベントの開催、行政との連携などがあり、自治会費を集めて運営することが多く、加入は任意ですが、地域の情報共有やトラブル対応のために加入する住民も多いようです。
1.苦情の手段
自治会・町内会(以下自治会)の会長や副会長などのと穏やかな関係なら直接相談することが有効です。同じ被害者がいる場合に多数の意見として取り上げてもらう場合は、定例会などで回覧板の活用などを提案することができます。ただし、自治会に加入していない場合は相談は難しいでしょう。
2.苦情の伝え方と内容
【①直接、苦情を入れる】でも書きましたが、感情的に話をするのではなく、困っている内容やどんな対応を望むかを冷静に伝え、対応の丸投げではなく解決案を伝えることも大切です。あくまでも相談ベースを心掛けるようにしましょう。また、話をする内容は事前に整理することも必要です。
・事実を整理する
いつ、どこで、どのような迷惑行為が発生しているか
写真や動画などの証拠があれば整理(撮影が難しい場合は日記形式で記録)
・目的を明確にする
例)子どもたちが道路で遊び、危険なので安全対策を講じてほしい
例)騒音がひどく、生活に支障が出ているので改善策を相談したい
・解決案を用意する
例)道路遊びを禁止する掲示を出す
例)公園の利用を促すチラシを配布する
例)住民同士の話し合いの場を設ける
3.注意点
自治会が動いても道路族の行為を問題視しない、注意などの対応を行っても無視する、逆ギレするなど改善しないこともありますので過度の期待は厳禁です。また、自治会の中には活動実態がないものもあり、相談しても対応してくれないこともあるようです。
また、道路族が自治会に加入している、知事会の役員をしている場合は、相談したことが地域内に広がり、クレーマー扱いや報復を受ける可能性もありますので、事前に自治会の組織、活動について市役所のまちづくり推進に係る課に確認するなど情報を集めてから行動を起こすようにしましょう。
4.自治会・町内会への相談から解決した事例
それでも、自治会に相談したことで道路族が軽減した地域もあるようです。自治会への相談が成功した事例を紹介します。
(1)自治会が明文化したルールを周知
道路で子どもが長時間遊び、大声やボール遊びによる騒音が問題になっていた地域の住民が自治会に相談したところ、「道路は遊び場ではない」というルールを自治会が明文化。回覧板や掲示板で全住民に通知した結果、親たちの意識が改善したことで道路遊びが減少。
(2)自治会と警察が連携しパトロールを実施
道路で頻繁に遊ぶ特定の家庭の子どもたちについて相談したところ、自治会と警察と協力して地域のパトロールを強化。注意喚起の看板も設置したことで道路遊びの頻度が減少。
(3)住民全体で話し合い、代替遊び場を提案
公園が少ないために子供が道路で遊ぶ問題が続いていた地域で自治会が住民の意見を集めて公園の整備を市に要望。自治体が臨時のプレイスペースを設置したことで、親も積極的に子どもを誘導することで問題が改善。

自治会等が母体となっている地域運営組織は平成28年から2倍程度に増えていますが、自治会の加入率は下がっています。そのため自治会への相談が無意味になることもあるようです。また、資金の不透明さや役員の負担など様々な理由から自治体を退会する人もいるようですが、そのことが原因で、道路族による酷い嫌がらせにまで発展した事件もあります(※参考 LINE監視ストーカー道路族 )
自治会の相談は、事態を悪化する、自分の情報を漏らされる可能性もありますので、必ず自治会の情報を確認してから行動を起こすようにしましょう。