自治体(市役所・区役所)の中には『道路管理課』『防災安全課』『危機管理課』などが道路族の相談ができる部署があります。また、自治体のWebサイトに道路族のへの注意喚起や対策を載せている自治体もあります。
1.自治体の姿勢
道路族が危険で道路の公共性を阻害することを自治体も理解しています。そのため、相談に対してすぐに対応してくれる期待をするかもしれませんが、直接、自治体が動いてくれるケースは少ないかもしれませんし、警察や法律の専門家への相談を促されることも多いようですので、過度の期待はしない方がよいでしょう。
2.相談の方法
訪問や電話、メールの他にWebサイト内の問い合わせフォームを経由する方法があります。また、市民の声や市長への意見などを投書箱(意見箱)から送る方法もありますが、そこから個別の対応に発展することは少ないようです。その他、市が開設をしている市民相談室(弁護士や司法書士などの専門家がが無料で相談に応じてくれる)への相談は事前予約が必要なこともありますのでWebサイトを確認するとよいでしょう。
3.相談の内容
個人的な相談(例えば、騒音や迷惑)よりは、道路で遊ぶ危険性や、ガードレール・外構・道路の破損があった場合にその原因として相談する方が対応してくれることが多いようです。また、自治体は個人に対して直接の注意や交渉は行いません。もし、何か対応してくれても、その中で判明した道路族に関する情報は会話や具体的な対応の内容なども個人情報にあたる場合は教えてくれません。自治体を責めるのはやめましょう。
4.注意点
自治体への相談は、以下の理由から解決に至らないケースも多いようです。当てはまる場合は、自治体への相談に固執せず、別の方法を模索することをお勧めします。
(1)自主的な解決を促される
道路でのボール遊びや奇声に困って相談したところ、違法性があるかわからないため自治体は介入できないと言われた。
※子どもの声などは一般的な生活音にあたり騒音規制法の対象外で音の測定も断られている(騒音計の無料貸し出しはあった)
(2)現地確認で問題なしと判断
道路族の親子が敷地内で遊び庭を荒らすため自治体に相談をしたが、職員による現地確認の当日に親子が遊んでいなかったため問題ないと言われた。
※市役所の現地確認は何度もしてくれない
(3)相談件数が少ないと動かない
道路族が自宅のブロック塀にボールを当てて遊ぶため、振動で迷惑なことと、破損すると危険なため自治体へ相談。
他の近隣住民から相談がないことを理由に対応を断られた。
※相談件数が1件のみだと対応してくれないこともある
5.自治会・町内会への相談から解決した事例
それでも、自治体に相談したことで道路族が軽減した地域もあるようです。自治体への相談が成功した事例を紹介します。
(1)啓蒙の看板を設置
毎日のように道路で大人数の子どもが遊び、騒音や危険行為が問題化していた地域で市民からの相談を機に『道路は遊び場ではない』旨を記載した看板を設置。一部の家族を除き、遊び場を公園へ移したことで問題が軽減した。
(2)警察と協力
道路で自転車を使った危険な遊びを行う子供の危険性を自治体に相談。自治体が警察へ相談したことで、地域の子どもたちを対象に交通安全教室を開催するように。保護者の意識が少しずつ変わったことで数年後には道路で遊ぶ子供がほとんどいなくなった。

自治体への相談は、道路族の迷惑行為に対する個人的な話よりも、地域の問題としてその危険性を訴え、警察とも連携して進める方法が解決に近づきやすいのかもしれません。とはいえ、こちらの記事(警察が認めた幻聴を生むボイラー音)のように、誠意のある対応をしてくれる自治体もありますし、昨今、道路族に対する問題意識も上がってきていますので、あまり期待はせずに一度相談してみるのもいいでしょう。